2016年3月25日金曜日

青木茂建築工房「HYGGE KANDAHEIM(ヒュッゲカンダハイム)新築工事」完成見学会

蒲田に完成した、青木茂建築工房「HYGGE KANDAHEIM(ヒュッゲカンダハイム)新築工事」完成見学会へ。入居者が住まい方を選び、空間をDIYによってカスタマイズできるおおらかで新しい賃貸住宅。元々は「鉄骨造のアパートメントをリファイニングしてほしい」という依頼だったのだが、調査をすすめていったところ、鉄骨のサビが著しく進行しており、再生が難しいと判断され、新築工事となった。地上5F建てで、21戸のワンルーム賃貸住宅と5Fにオーナー住宅、1Fにはカフェスペースとフリースペースも配置している。インテリアは、オーナーでありデザイナーである岡利貴氏(ミトンデザイン)による内装監修で、入居者が住むことに積極的になれるようにという願いから、DIYが可能な計画とした。

初期計画案では、一般的な四角い平面を立ち上げたボリュームを日影規制で斜めにきりとったRCと鉄骨の混構造を検討していたが、コスト高と全住戸異なる間取りとなることが懸念されていた。それを最終計画案では、四角形の角を切り落とした平面形状にすることで、周辺への日影の影響を最小限に抑え、日影規制をクリア、構造も壁式RC造を採用しシンプルな構造とすることでコスト高への問題を解決することができた。またオーナー住戸には、バリアフリーの要望があり、初期計画案はフラットでまとまった面積の確保することのできる2Fに配置していたが、最終計画案にすることで、上層部にも与件を満たすボリュームを確保することが可能となり、住環境の良好な5Fに配置することにもつながった。
外観は見る方向によって異なる表情を見せる。
エントランスの右手にはカフェが年内を目処にオープン予定。
エントランスを入って、左手はフリースペースでDIYのモデルルームにもなっている。
1Fの賃貸マンションは3部屋で写真は103号室。ワンルームのスタジオタイプの間取りで、セパ穴を露出させたコンクリート打放しの壁は、長ナット等の取り付けることで棚や家具のボルト固定が可能。DIYウォールと名付けたインテリアラーチ合板(節なしの針葉樹合板)の壁は釘やビスなどで自由に打つことができる。
他にもメンテランスフリーを意図し、床材は傷のつきにくい磁器質タイル、キッチンをステンレス製のものにするなどしている。
2~4Fは、放射状に各階6部屋が配置(写真は201号室)。
5Fはオーナー住戸で、賃貸住宅と外壁や床材はほぼ同じものを使用しているが、オーナーがセレクトした照明や家具、エタノール暖炉などが入りこだわりの住戸となっている。


◎計画概要
所在地:東京都大田区蒲田
用途:共同住宅(22戸、オーナー住戸含む)、喫茶店
事業主:個人
設計者:青木茂建築工房(意匠)
   :金箱構造設計事務所(構造)
   :設備計画(設備)
内装監修:ミトンデザイン
施工者:日本建設
工期:2015年6月-2016年3月
構造:鉄筋コンクリート造
階数:地上5階建
面積:延床1077.92㎡

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