2016年4月28日木曜日

アトリエ・天工人「ヒダマリテラス」オープンハウス

東京都品川区に竣工した、アトリエ・天工人設計の「ヒダマリテラス」のオープンハウスへ。
200坪ある大きな旗竿地に建つ地上3階の長屋で12戸の住居が入るコーポラティブハウス。南側には1400年の歴史をもつ寺院が隣接しており、敷地には太陽光が降り注ぐことから「みんなでつくる陽だまり」をコンセプトに、全ての住戸に陽だまりを楽しめるテラスを設けたことが大きな特徴。

大枠の全体プランが決まったところで入居者を募集、入居者で事業組合の立ち上げ、約1年半・10回の総会を経て竣工した。分譲住宅と違い、入居前から入居者同士で話し合いができコミュニティを作り出していけるのがコーポラティブハウスの良いところ。入居者は30~40代のファミリー世帯から単身者もいるという。
敷地内通路は路地状に敷地中心部まで延ばすことや吹抜けを有するテラスを配置し、内部にいながら吹抜けや共用通路を介して、隣人とコミュニケーションがとれる構成。
各住戸の内装設計は、さまざまでアトリエ・天工人の所員1名とOGの4名がそれぞれ担当。構造計画は、それぞれの住戸が開口部の位置や大きさ、ルーバーの有無を自由に設定できるように壁式RC造とした。12戸ある住居プランのいくつかを紹介。

◎12戸の中で唯一のメゾネットタイプの住居
◎一段上がった和室が特徴的なファミリータイプの住居
◎部屋の仕切り代わりにもなっている大きなテレビ台とアイランド型のキッチンが特徴的な単身者の住居
それぞれの住居で、壁面を木目のコンクリート打ち放しにしたり、玄関の木板にアクセントをつけたり、洗面台でタイルを使用したりとこだわりの部分も多くみれた。
早い入居者は、今週早々には引っ越しをし、新生活がはじまる。

敷地住所:東京都品川区
建築用途:長屋(12戸)
敷地面積:658.85㎡
建築面積:392.11㎡
延床面積:956.51㎡
構造:壁式RC造
階数:地上3階

意匠設計:山下保博+水上健二+寺嶋利治 / アトリエ・天工人
内装設計:石月亜希子 / アトリエ・天工人 + 倉水恵・荒俣真琴・渡邊美帆・赤尾あずさ / アトリエ・天工人OG
構造設計:本岡淳一 / 本岡淳一構造設計事務所
電気設計:遠藤和広+杉山容子/ EOS plus
機械設計:山田浩幸+佐藤智美/YMO
施工管理:菊嶋秀生+木村陽一 / キクシマ
プロデュース:織山和久+大原智史 / アーキネット

2016年4月15日金曜日

TOTOギャラリー・間「三分一博志展 風、水、太陽」プレス内覧会

TOTOが運営するTOTOギャラリー・間にて「三分一博志展 風、水、太陽」のプレス内覧会が開かれた。


三分一氏は、建築が“いかにして地球の一部になりうるか”を一貫したテーマとして作品作りを続けており、「地球にも人にも認めてもらえる建築」を創造するための入念なリサーチを行い、その土地の歴史や風土、人と自然の営みを紐解くとともに、地形や方位によってその姿を変える「動く素材」―風、水、太陽などを丹念に観察しそれを分析することで、あるべき建築の姿を探求してきた。

本展では、こうした三分一氏の取り組みを、「犬島精錬所美術館」、「六甲枝垂れ」、「宮島弥山展望台」、「The Naoshima Plan」、「直島ホール/直島の家-またべえ」、「おりづるタワー」など、瀬戸内のプロジェクトに焦点をあてて紹介している。

会場3Fでは三分一氏の瀬戸内でのこれまでのプロジェクトが紹介されており、「犬島精錬所美術館」や「直島ホール」紹介動画や年代別にまとめたスライドショーが展示されている。




3F中庭では「空気、水、太陽の実験」が行われており、空気と水と太陽の関係性を見ることができる。



4Fでは建築をつくるにあたっての風向調査やなどを行ったリサーチ資料、環境シミュレーション(CFD)、「犬島精練所美術館」と「直島ホール」などの風道実験に使われた模型、「宮島弥山展望台」の軒の水の流れを検証するためのモックアップや「六甲枝垂れ」の着氷実験を行ったモックアップが展示され、三分一氏が「犬島精練所美術館」や「直島ホール」などを設計する過程を見ることができる。










また内覧会では三分一氏が自ら会場で説明をし、「建築としてではなく素材を見てほしい。今回の展示会で一番伝えたいのは動く素材が人々の営みを作っているということ」と語った。



展示は4月15日(金)~6月11日(土)まで

JR新宿駅新南口の商業施設「NEWoMan」エキナカ・エキソトエリア内覧会

 3/25に第一期オープンしたJR新宿駅新南口に商業施設「NEWoMan(ニュウマン)」の第二期が本日4/15にオープンする。グランドオープンに先駆けプレス向けの内覧会が開催された。(全体の概要・第一期オープンの様子はコチラ
 デザイナーが関わっている店舗のいくつかを紹介。

エキソト2F〈カフェ〉VERVE COFFEE ROASTERS
Design:Salt.
店舗全体の色調は淡く温かみがありながらも、造形デザインはモダンで直線的。
経年変化を楽しめる無垢木材や天然大理石などの天然素材はあえて硬質な形状で使用し、タイルやベニヤ板など硬質的な素材は模様組や特注着色を施し温かみのある表情に変化させている。
 エキソト2F〈カフェ〉TORAYA CAFÉ ・AN STAND
Design:ランドスケーププロダクツ
店舗内の家具は、この店舗のためにつくられたすべてオリジナルのもので、角のない丸みをもったデザイン。ガラス張りの店舗の外からも目を引く虎のタイル画は仲條正義氏のデザイン。
エキナカ2F〈ブーランジェリー〉M. LE BIHAN
Design:KATA
関西6店舗・関東3店舗に店舗をもつブーランジェリーの新業態。マントルピースやオリジナルの什器で重厚感のあるデザインとなっている。
エキナカ2F〈洋菓子〉BbyB. Shinjuku Sta.
Design:nendo x onndo
銀座の1号店に続き、nendoがデザイン。路面店となっている銀座店は、チョコレートが浮いているように見える透明な引き出しを設置しているが、駅中の一角にある新宿店では、ショーケースの底をミラーにし、浮遊感を表現している。チョコレートのパッケージにもnendoオリジナルデザインのものが。
エキナカ2F〈洋菓子〉GARDEN HOUSE CRAFTS
Design:Jamo associates
第1期に4Fにてオープンしている「GARDEN HOUSE」の姉妹店。厳選した国産の材料で手作りされたパンやプリン、ケーキなどのテイクアウト専門店。レストランと同じくJamo associatesがデザインしている。
その他にも買い物だけでなく、アート・建築・デザインを楽しめるさまざまな店舗が展開。

2016年4月8日金曜日

「白岡ニュータウン リフレの杜コミュニティガーデン街区」 設計:藤村龍至 建築説明会

藤村龍至 氏(藤村龍至建築設計事務所)設計による「白岡ニュータウン リフレの杜コミュニティガーデン街区」建築説明会へ。「白岡ニュータウン」は、総合地所株式会社が1987年以来1261区画に及ぶ大規模なニュータウン開発を行なってきたエリア。
このニュータウン開発の計画初期には都市計画家の石原舜介 氏が、「リフレの杜」計画には建築家の遠藤剛生 氏が携わっている。

敷地には5棟の分譲住宅が建ち、3.11以降の成熟期の郊外ニュータウンにおける住宅地のあり方において、単体の住宅のあり方を超えて、コミュニティや防災意識の醸成を意図した、現代的な住宅群像が提案されている。
住宅のベースとなるのは2014年に東京ミッドタウンで開催された「MAKE HOUSE木造の新しい原型展」(主催:株式会社エヌ・シー・エヌ)で藤村氏が提案した「柱と梁の家」。SE構法の原点である柱と梁にフォーカスを当て、架構の強さと美しさが活かされている。
配置計画検討用模型の前で説明をする藤村氏
庇と袖壁に囲まれたテラスとバルコニーは通風を確保し、
設備機器は袖壁の内側に納められ、外側立面には出てこない。
プライバシーを重視するあまり孤立を深てしまうことのないよう、
敷地境界は塀で閉じずに連続性を創出するなどの配慮が施される。
ランドスケープデザインは、石川 初 氏が担当。
ひとつひとつの庭がプライバシーを保ちながら前庭を介してゆるやかに繋がる。
照明デザインは吉良広敦 氏(コイズミ照明)が担当
光量を確保しながらシンプルなインテリアを演出する。

リフレの杜・コミュニティガーデン街区は、街に開かれ人と人の緩やかな
コミュニケーションを育むために、藤村 氏が「ニュータウンの作法」を踏まえ
提案する、新しい郊外ライフスタイルだ。